GAME DESIGN
「強すぎるアイテム」はどう調整する?名作から学んだゲーム作りの奥義
『CYBER GOMOKU』には、普通の五目並べにはない3つの強力なサイバーアイテムがあります。開発初期はどれも強すぎたり弱すぎたりして、五目並べ本来の読み合いを壊していました。
調整の軸にしたのは「強い効果には、それに見合う危険や機会費用を持たせる」というリスクとリターンの考え方です。単純に威力を下げるのではなく、使う場面を判断する余地が生まれるように設計しました。
ステルス碁石:攻撃に強い代わりに防御できない
ステルス碁石は、相手から見えない状態で石を置ける攻撃用アイテムです。気づかれないまま5つ並べられる可能性がある一方、見えない石では相手の並びを止められません。
さらに、相手が同じマスへ通常の石を置こうとするとステルス碁石は消滅します。消滅した側は貴重な1手と使用回数を失うため、安全な必勝手ではなく、相手の次の手を読む必要がある選択になります。
碁石爆弾:盤面を変えられる代わりに自分も巻き込む
碁石爆弾は、相手が指定マスを踏むと周囲の石をまとめて消すトラップです。相手の完成間近の並びを崩せますが、爆発範囲にある自分の石も消えます。
爆弾を設置する行動にも1ターンを使います。相手が攻めている最中に石を置かず、発動するか分からない罠へ1手を投資すること自体がリスクです。強力な効果と、設置時の遅れや自爆の可能性を組み合わせています。
碁石レーダー:行動回数ではなく選択枠を消費する
碁石レーダーは、範囲内にあるステルス碁石や爆弾を発見する防御用アイテムです。使用時にターンを消費しませんが、対戦前に選べるアイテム枠の1つを使います。
相手が隠しアイテムを使わなければ、レーダーを選んだ意味はなくなります。「相手は罠を使うはずだ」という予測が外れることを、レーダーのリスクとして設計しました。
数値ではなく、相手の判断が生まれるかを見る
開発初期には、爆弾の範囲が狭すぎたり、レーダーが盤面全体を確認できたりする時期もありました。効果範囲や使用回数を変えるたびに、「使われた相手に別の選択肢が残るか」「次の手を予測する余地があるか」を確認しました。
現在のバランスも完成形とは考えていません。対戦結果やプレイヤーからの意見を確認しながら、強さを均一にするのではなく、それぞれに異なる使いどころが残るよう調整を続けます。
この記事は、実際にサイバー五目へ実装したルールと調整過程を、開発者自身の経験にもとづいてまとめたものです。